「肥満県」なのに… 栄養教諭配置できず 06年度県教委

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20060303-00000014-ryu-oki

学校現場で子供たちの食の指導を行う栄養教諭の任用が、2006年度中は困難な状況となっている。県学校栄養士会によると、全国の半数以上の都道府県が来年度中に栄養教諭を任用することを予定しているが、県教育委員会栄養教諭の待遇面での取り扱いや、現職の栄養職員が教諭となるための養成プログラムなど「準備を整える必要がある」とし、任用は07年度に先送りされる見通しとなっている。
 栄養教諭の任用は、各都道府県に任されているが、子供の肥満率が全国平均に比べて高いことや、沖縄の長寿が揺らいでいることなどから、食に対する意識を幼児期から高めるための食育の重要性が、県内でも指摘されている。
 食育の中心的役割を果たす「栄養教諭」の任用が遅れることで、子供たちへの影響を懸念する声が、学校栄養職員を中心に上がっている。
 2日開かれた県議会の2月定例会の一般質問では、新垣良俊氏(県民の会)が栄養教諭制度の導入について質問したのに対し、仲宗根用英県教育長は「学校教育において食育が重要となっている」「条例・規則の改正や、任用形態など課題の整理に努めており、07年度をめどに実施したいと考えている」と答弁した。
 県教委では05年7月、栄養教諭の免許を現職の学校栄養職員が取得するための認定講習会を開き、114人が受講した。06年2月末までに、31人が免許を取得している。
 県学校栄養士会の安谷屋邦子会長は「授業時間に教壇で子供たちに食の指導を行う栄養教諭は、食育を推進する上でぜひ必要。アレルギーを持つ子供たちへの個別指導など、食の専門家である栄養教諭にしかできない指導もある」と指摘。「沖縄の長寿を守る上でも食育は重要だ」と話し、早期に任用するよう県に働き掛けている。
琉球新報) - 3月3日10時31分更新