きのうみていた『イロモネア』。絶対笑わない客がいる限りダメだという。

あれ、ほんとにガチでやっているのかよくわからんというところはまず、あるのだけれど、
ガチのつもりだとしても、ルール上、どうも釈然としないところは、ある。
審査員をかねた100人の客の中から、最初にランダムに(というていで)5人の客が選ばれる(演者も客本人も誰が選ばれたのかは知らない)。で、5つのジャンルでそれぞれ5人中3人ずつ笑わせればステージクリア。最後のステージでは5人全員を笑わせないといけなくて、それをクリアすると100万円。
そうすると、ようするに、100万円をとるにはいずれにせよ5人全員を笑わせないといけなくて、その5人のうちのひとりでも笑わない人がいるのであれば、最初のステージで落ちようが最後のステージで落ちようが同じことなんである(まぁ、長く画面に映ってる為にやるというのが本当のところなのだけれど、ゲーム上はその辺の事情はおいとくとして)。
で、見ていると、5人の客のうち、笑うやつはいつでも笑うのだけれど、絶対笑わない、笑う気配さえないような、怒気を含んだような無表情のやつというのがいつもひとりぐらい混じっていて、結局そいつが、最初から最後のステージまで一度も笑わないので、たいていの演者たちは、第4ステージまでは進む(そいつが笑わなくても3人が笑えばいいので)けれど最終ステージで落ちる。
ぎゃくにいうと、最終ステージで一度そいつを笑わせることができれば、100万円とれるし、できなければ、とれない、という、シンプルなゲームになってくる(それ以外の、5人中3人笑わせる、というハードルなら、普通の芸人の普通の力でクリアできるんであって、そこで落ちるのなら論外、と)。
そうすると、「とにかく会場の客全員を確実に爆笑させることができる」という爆発力のある鉄板のネタを、たったひとつだけ
持ってさえいれば、それを最終ステージでやれば、勝負になる。『イロモネア』というのは、たぶん80%ぐらいまでは、そういうシンプルなゲームである。
たぶん、そういう「全員爆笑」というシチュエーション以外で、個別に笑わせるというレベルでは、「絶対に笑わないつもりの人」は、絶対に笑わないだろうと思う。で、そういう「全員爆笑」というネタは、たぶん、ダラダラと長いものではダメで、一撃必殺の瞬発力のあるものなんだと思う。
そうすると、たぶん、「サイレント」でそれをやるのはたぶん厳しそうだし(以前、まちゃまちゃという嫌いな芸人がそれで100万円だったようなきもするけれど)、「一発芸」というのも逆に、見るほうがそのつもりで構えてしまうので意外と瞬発力は期待できない気はする。
そうすると、意外と最後に「モノマネ」を持ってくるといいのではないか、という作戦を思いつくのだけれどどうでしょう。
つまり、ハリセンボンは「エジプトの壁画の女性」を温存しながら「モノマネ」を最終ステージに持ってきておけばいけたのになあ、というのが昨日の感想。