キリストになぞらえ正当化=映画や音楽からも影響か−米乱射容疑者

大きいニュースではあるけれどあんまりチェックしていなかった、けど、ちょっと記事を見てみたら?なかんじ。
なんか、かつての、流行としてのシネフィルが映画を見たり渋谷系が音楽を聴いたりして引用もとネタ当てをするような発想の記事だなあ。
いちおう現実に銃を乱射した人がいて、社会や同級生への憎悪を語っているのだから、いちおう、その憎悪のよってきたるところを現実的な次元で当たってみる、というのが本線ですよねえ。
「社会や同級生への増悪を語り、被害妄想をあらわにする」という言い方は、「憎悪」って字が間違っているのはともかくとして、「憎悪」を現実的なものとしてではなく妄想の所産と決めている。
「社会や同級生への憎悪」ってやつが、かりにいわゆる常識的に理解しづらいものであったとしても、それをいちおう理解してみようカナぐらいの姿勢は示すべきだろうし、そうした姿勢を示したからといって、イコール犯行を「正当化」することにはならないだろうにね。
なんか、この記事の文章の運びでいうと、憎悪=妄想=映画・音楽の影響、という構図が安易に使われすぎって気はして、その安易さっつうのが、さっき言った、かつての、流行としての(という留保をつけた上で言うのだけれど)シネフィルとか渋谷系とか、そういう姿勢の安易さであって、いったい現実を見てないのは誰か、というはなしである。
http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20070419-00000074-jij-int

4月19日13時0分配信 時事通信
 【ニューヨーク18日時事】「イエス・キリストのように死ぬ」−。米バージニア工科大学乱射事件のチョ・スンヒ容疑者(23)はNBCテレビに送付したビデオの中で、社会や同級生への増悪を語り、被害妄想をあらわにする一方、自らを十字架にはりつけられたキリストになぞらえて犯行を正当化した。
 チョ容疑者はこの中で、「お前たちにはこの日を回避する1000億のチャンスがあったのに、おれを追い詰めた」と主張。「後世の弱く無力な者たちを鼓舞するため、おれはキリストのように死ぬ」と宣言し、「顔につばを吐き掛けられる気持ちが分かるか?」「お前たちは望むものすべてを持っている」などと周囲の人間への増悪をむき出しにした。
 一方、ニューヨーク・タイムズ紙は電子版のブログで、ビデオと共にチョ容疑者が送った写真のうち、右手でハンマーを振りかざしている写真について、多数の暴力描写を含む韓国映画オールド・ボーイ」に影響を受けて撮影された可能性があると指摘した。同映画のDVDのパッケージに同様のポーズを取った登場人物が描かれているためだ。
 チョ容疑者が執筆した戯曲「ミスター・ブラウンストーン」も、過激な言動で知られるロックバンド、ガンズ・アンド・ローゼズの同名曲にちなんでタイトルが付けられたとみられ、音楽や映画を通じ、チョ容疑者が暴力への傾倒を深めていった恐れもある。