中学生意識調査:学力の格差はお金で変わる 半数が「思う」 /東京

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中学生意識調査:学力の格差はお金で変わる 半数が「思う」 /東京
10月6日13時3分配信 毎日新聞
 ◇6都府県934人回答−−法政大・尾木教授「教育現場は深刻」
 学力格差に関する中学生の意識について、教育評論家で法政大キャリアデザイン学部教授の尾木直樹さんらが東京、大阪など6都府県9校の生徒に調査したところ、生徒の半数が「お金で学力が上がると思う」と答えていたことが分かった。尾木さんによると同様の調査は例がないといい、「学力と家庭の経済力を結びつける生徒が多く、教育現場は深刻な事態になっている」と話している。
 調査は尾木さんと同大の学生が昨年12月〜今年1月に実施。調査に応じた9校(私立2校、公立7校)の中学2年934人が記述式で回答した。
 「お金で学力が上がると思うか」との質問に「思う」と答えた生徒は全体で48%。私立中の生徒は55%、公立中の生徒は47%だった。また「お金持ちの大人は高学歴だと思うか」という質問に対し、「思う」と答えた生徒は私立、公立ともに67%だった。
 一方、生徒に希望する最終進路を聞いたところ、私立中の生徒では「4年制大学」68%、「大学院」11%だったのに対し、公立中の生徒は「4年制大学」28%、「公立高校」27%だった。半数の生徒が学力と経済力を結びつける一方、希望する進路では私立と公立の生徒で大きな違いが出た。
 尾木さんは「今の子供は意識の中で、経済格差と学力格差、進路の三つが結びついている。中学2年生で既に学力の向上や将来についてあきらめている生徒も多いようだ」と分析している。【三木幸治】
10月6日朝刊

見出しのつけ方もどうかと思うし、調査の設問ももひとつだなあ、と思う。
中学生に、「お金で学力が上がると思うか」と訊けば、上がると答えてもぜんぜん不思議はないだろうと思う。げんに、学力向上(っていうか、「成績」向上、というほうが語感がしっくりくるけど)を謳う学習塾なんかがあって、中学生たちはお金を払って通っているわけだし、それによって成績がげんに上がったりするわけなので。
ただし、それはそれだけのはなしであって、
この記事の見出しは「学力の格差はお金で変わる」と書いてあるけれど、格差、っていうのは個々の生徒の成績そのもののことではなくて、社会全体(の中学生たちの集団全体)において観察される現象のことであるのだから、このアンケート調査で生徒さんたちが答えた設問・回答とは次元の違うことを言っている。
また、「お金持ちの大人は高学歴だと思うか」と質問すれば、そりゃ平均よりはそうだろう、とふつうおもうのではないかしら。中学生たちは、たぶん毎日のように、「勉強しないと将来困るわよ」とかなんとかどやされてるにきまってるわけで、それでがまんして勉強したりしてるんだとすれば、お金持ちの大人が低学歴だったら話があわないのである。えーとじっさいには、お金持ちってわけじゃない高学歴の人ってたくさんいるわけですが。