『東京タワー』読んだ。黒木瞳?

風呂で読むシリーズ。ていうか、長篇なので、風呂で読んだのは読めるところまでで、あと大部分は後で読んだのだけれど。

東京タワー (新潮文庫)

東京タワー (新潮文庫)

で、このまえ読んだのは短編集と、あと若いころのエッセイ集だったのだけれど、そっちのは悪くなくて、それにくらべると、長篇はベタだった。短編の、なんかスッカスカで感覚的なかんじのところが悪くないなあと思っていたのだけれど、これは、まぁ黒木瞳の映画の原作らしい、っていう先入観でよけいそう感じたのかもしれないけれど、なんかこう、ベタだった。
文庫本の解説は、その映画の監督をしたらしい人の文章で、この小説は映画化できない種類のものだというようなことを言っていて、小説とは別のものを撮るつもりで腹を括って映画化したみたいなことを書いていたので、それはまあ正直だなあとは思った。
あと、なんていうか、主人公が1980年生まれで大学生、19歳20歳のときの話ということなので、2000年ぐらいで、そうするとなんかこう、就職氷河期だったしなあ・・・ロスト・ジェネレーションってやつか・・・と思い浮かべると、それに比べれば、なんかバブリーでクリスタルなムードあふれる世界が描かれているように思われる。