『夫婦』みた。この男は・・・

http://www.jmdb.ne.jp/1953/cc000250.htm
倦怠期の夫婦の話、としておきましょう。妻のほうが杉葉子。さいしょ原節子でキャスティングされてたのが原の体調不良で杉になったのだそうで、じつは杉葉子でよかった。あんまし女優オーラがでてないけど、これはふつうの夫婦の話なので、奥さんが女優オーラを出してたら逆に変なのだ。というわけで、『青い山脈』でいうと先生役だった原節子より、女生徒役だった杉葉子を奥さん役にして、清楚でちょっとかわいくてかつ夫の世話を焼いてくるくるとよく働く妻、でも倦怠期だし周囲がいらぬことを吹き込んだりするし、あれやこれやで心は揺れることもある、みたいなところがとてもいいかんじである。で、倦怠の主犯格はやはりだんなのほうでこれが上原謙『めし』のとき同様、なんだかつかみどころのない、気の利かない、煮え切らないしはっきりしない、そのくせじわじわと低温でやきもちを焼いたりするとしつこい、なんだか天下の二枚目とはとても思えない男。で、この夫婦が、夫の職場の同僚の三國連太郎の家に同居することになって、この三國が奥さんを亡くしたばかりでイケメンではっきりした性格で、あきらかに杉葉子に好意を持ったりして、それに上原がじわじわとやきもちを焼いてはいらいらとして杉葉子に当たったりして、もめそうになったり仲直りしたりして一件落着・・・
というお話のはずだったのだけれど、なんだかなあ!上原!この男は・・・
という、なんかやはり自然な感情移入が阻まれる昭和28年の作品。