『アート×セラピー潮流』は意外とふつう。

practica〈2〉アート×セラピー潮流 (プラクティカ (2))

practica〈2〉アート×セラピー潮流 (プラクティカ (2))

さすがにこういうの既に結構読んでるから。ただ、ぎゃくにいうと(装丁とかかっこよさげな見かけと違って)意外とオーソドックスな教科書的内容だったということで、美術教育とかそういう卒論を書く学生に紹介してもいいかもと思った。でもまぁ、アートで芽の出なかったあげくの亜流通俗臨床心理みたいなのを学生に目指させるつもりもない。この教科書的な本の中で、しょうもない癒しだの通俗読心術だのの誘惑にまけずに、ちゃんとラディカルな志向の線をていねいにより分けて拾っていくのは、学生諸君にはたいへんかもな。
まぁ、現実のアートセラピーというものが、かならずしもいわゆるラディカルである必要もないわけで、セラピーなんだからぬるかろうが通俗だろうが、セラピー的な効果を発すればいいのだってのもある。