- 作者: 松浦理英子
- 出版社/メーカー: 新潮社
- 発売日: 2015/01/28
- メディア: 文庫
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カバー裏の惹句にいわく「著者26歳のときに書かれた危うい思春期小説を併録」とあるけれど松浦理英子が、まさか「思春期」などという通俗な発達心理学の教科書の用語みたいなものを描くわけはないんである。まえに読んだ印象がないのが不思議で、なんか自分の調子がいまいちだったのかもしれないっていうか、ひょっとしたら松浦理英子は自分的には文庫本で読むかんじなのかもしれない。河出の文藝コレクションの白紺の背表紙の文庫でつぎつぎ読んでいったのがたぶん最初だったわけだし(あら?そのまえに古本屋で『ポケット・フェティッシュ』の単行本を買って読んでたのかしらん?あの本まだ持ってたっけ)、文庫本で読むかんじが、作品の純度の高さに合っているような気もする。そういうわけで、表題作もあわせて今回再読してあらためてよかった。