『クラウド「超」活用術』読んだ。「うへぇっ!」ってなる本。まぁいい意味で。

新時代のワークスタイル クラウド「超」活用術

新時代のワークスタイル クラウド「超」活用術

たとえば、世の中には二種類の本しかない、「おおっ!」ってなる本と、そうでない本だ。みたいな名言があったとして(いまつくった)、「おおっ!」ってなる本っていうのは、言い換えると、ここから何かが始まる感がある本、ということで、たとえば自分が何年か前に「ライフハック」というジャンルの本を最初に手にした何冊かは、そんな感じだった。で、それから何年か、なんとなしにweblogとか本とか追いかけていて、まぁ自分が実行するかどうかはさておくとして、その周辺のものを読んでいて、それでこのたびは、この本、である。これ、「うへぇっ!」てなる本。新ジャンル出現、である。
この本、欲しくなったのは、こちら(クラウドサービスを「有機的」に活用するためにはいま最高の1冊 | シゴタノ!)の書評を見たから。書評を見て本がほしくなるときに、往々にしてなにか「キラーフレーズ」ってのがあったりして、このばあいは

・・・本書は著者の性格も反映し、半ば自然体で書いているため、一見したところその「凄み」が伝わってこないのですが、実は鬼気あふれる調子に覆われています。
一言で言えば、本書全体で行われていることは、異常なのです。「いやこれ、ふつうだろう」と言い出しそうな人はすぐ思い浮かびますが、それはほほえましい自尊心の表れでしょう。日本全体でいえば、著者はまったくふつうではないスタイルをすでに確立してしまっているのです。

というところ。こういう書かれ方をしてしまうライフハック本って、やはり読んでみたくなるわけである。だって、ライフハックなどということに関心を持つ人って、たぶん、異常と呼ばれたり鬼気あふれたり(!)したいとおもわないほうの、どっちかというとクールに気楽に仕事をこなしたいタイプの人なんじゃないか、と思うので。そんなかんじで始まった欲望が発達していったあげくに、ある日、異常としか言いようのないような高密度な、狂った華を咲かせる、みたいな。読んでみたくなるイメージだと思う。
で、なるほど尋常ではない。いやいや、著者の人は大いにまともなのだけれど、なにかすごい自分システムが隙間なく構築されてしまっている姿を目撃するような気になる。
この本に書いてあるのは、著者の人が何年もかけて構築したシステム、クラウドサービス群を使ってあらゆる情報を効率よく集約して活用するためのワークフロー群で、これがすごく練りに練られててみごとなんである。あまりのことに、とうていまねできる気がしないほどなわけで、ほんとに、狂った華を見ているような。
で、しかし、もちろん、著者の人も、べつに狂ってるわけではないし異常者でもないんで、この本に書かれていることを誰もがやるべきとかできるとかいうわけでもなし、著者の人じしんもふくめ、現実には仕事先の会社の都合などなどでクラウドサービスを使えないとかそういう現実的制約はとうぜんあるわけで、だからこのシステムをそのままやれというわけではないんである。そうではないなにかを、この本から読み取るべきであるわけで、それはしかしやはり、ライフハック的ななにやらの欲望、ということだと思う。