通勤電車で読む『キャリア教育のウソ』。

キャリア教育のウソ (ちくまプリマー新書)

キャリア教育のウソ (ちくまプリマー新書)

タイトルのいみは、俗流キャリア教育はいけなくて本当のキャリア教育が必要だというぐらいのことで、じっさいに本書のおわりらへんに、いまあるべきキャリア教育について五項目があげてある。生涯学習というのもそこで登場する。わたしたちがやってることじゃんということである。もっとも俗流だろうが真正だろうがキャリア教育というのは(というよりそもそも教育というのはということかもしれないけれど)どこかしら決定的に無力なところ、限界というのがあるわけで、たとえば「正社員神話が崩壊したあとのキャリア教育を」と言っても、これからもっともっと労働者にとっての状況は悪化していくかもしれず、「労働組合が壊滅させられたあとのキャリア教育」(これはすでにそうか)とか「労働基準法の骨抜き状態が断固として追認され正当化されるのが当たり前になった時代のキャリア教育」とか「目先の日経平均株価を見かけ上上昇させるためだったら政府は(消費税率据え置き以外は)何でもする(とくに企業が労働者をこき使うことにかけては何と言われようが断固として最大限野放しにする)つもりの時代のキャリア教育」とかまぁなんでもいいですが、どこまでも悲惨になりうる状況の中で、教育って常に後手後手に回るし、どっかでつじつま合わせみたいにならざるをえないところも出てくるんだろうなあとは思うわけである。