某日、会議が終わって帰り道に、歩いていたら後ろから声を掛けられた。以前からいろいろ喋ってもらってたフォルマリストの先生で、最近いよいよあちこちの会議でご一緒することになって、まぁやれやれといいつつしかしそれだけ学校帰りとかに喋る機会がふえたのだから、悪いことばかりではない。それで歩きながら喋っていて
チェーホフの話になり、この本が悪くなかったと聞いたので、読んだ。ごりごりのフォルマリズムというわけではたぶんないとおもうけれど、
ナボコフによる評言が引かれていて、感覚的にすっと共感できたと思う。「無意味」の深淵を覗いた
チェーホフの「非情」の世界、あるいはそこからの脱出の試み、という線。