『ザ・スパイダースのゴーゴー・向う見ず作戦』みた。これで映画として成立していたのか。

ザ・スパイダースのゴーゴー・向う見ず作戦 [DVD]

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松原智恵子山内賢が気弱なお坊ちゃんで煮え切らないのが気に入らない。どんな障害も乗り越えてまっすぐに自分を迎えに来てほしいと言う。ところで二人はご近所さんでお互いの二階の部屋が向かい合っている(あいだに一軒、怖いおじさんが住んでる家をはさんで)。そこでなぜか山内賢が物理的な意味でまっすぐ松原智恵子の部屋に迎えにいかないといけないことになる。怖いおじさんがたちふさがる。ところで、松原智恵子の発言を偶然テレビで見たスパイダースの7人は、自分たちがまっすぐ歩けば松原智恵子をゲットできると思いこむ。で、横浜から世田谷までまっすぐ歩く。スパイダースが、家でも店でも女湯でも女子プロレスの練習場でも警察でも刑務所でも工場でも、壁を乗り越え窓を壊しまっすぐ歩くので大騒ぎになる。警察に捕まりそうになり、あるいは、猟銃立てこもり犯人のところにまっすぐ歩いてやっつけてしまってこんどは感謝されたりする。室内プールのライブステージでは演奏をする。さあ山内賢はまっすぐ松原智恵子のところに行けるか。みたいなことが映画として成立していたのか。1967年。ビートルズ映画と同時代、といわれればそういう気もしてくる。また、よく考えれば黒沢清が撮ったら『神田川淫乱戦争』になるのではないかという気もしてきて、そう思って見ればまぁ必ずしも映画として成立しないとは言えない気もしてこなくもない。