『西部魂』みた。

西部魂 [DVD]

西部魂 [DVD]

  • 発売日: 2006/12/25
  • メディア: DVD
フリッツ・ラング。タイトルの通りに西部劇だと思うのだけれど、なんかスカッとしたかんじではなくて、いちおうイイモンのほうが、電信工事の会社で、インディアンのなわばりである西部の荒野に電信柱を立てて大陸を横断する通信網をソルトレイクシティまで開設するという仕事を請け負っている。で、そこに謎の男が加わっててそれが主人公。どうやらもともと強盗団の一味だったのが足を洗ったらしい。で、荒野で頑張ってるとインディアンに襲撃されて馬やら牛やらを奪われたりする。ところがどうやらそれはかつての仲間だった強盗団がインディアンのふりをして略奪とか好き放題しているらしい。でまぁ主人公はどうする、みたいなおはなし。まぁ、スカッとするというよりは、主人公には言い出せない過去があるわけだし、ていうか過去どころか現在進行形でかつての仲間が暴れまくってるし、仲間に戻れと誘ってくるし、板挟みだし言い出せないし、という。本当のインディアンも出てくるけど悪いのは白人、しかもそれが主人公の仲間、というイやな構図。
ところで、黒沢清が『現代映画講義』の中で、フリッツ・ラングの(別の)西部劇の話をしていて、とにかく影が黒いと。あんなに真っ黒な影を出すのはじつは大変なことなのだけれど云々、ということをしきりに力説していた。で、その映画は見てないけれど、この『西部魂』だと影はどうなのかなと思いつつ見てた。言われたら黒いか。逆光だとシルエットみたいになる場面とかはあったな。あと、ラングは娯楽作だろうとかならず「ここぞ」というところで「あっ」と言わせるすごい画を撮るのだと。どこがすごかったかな? 個人的には、新入りの若者をからかうために暴れ馬に乗せたらロデオ状態になって、柵を壊して馬(これも真っ黒な馬だね)が西部の町に駆け出し、ロデオ状態のまま酒場の入り口に飛び込んで、もう一つの出口からまず踊り子さんたち?がわあわあと飛び出してきてから後を追うようにロデオ状態で若者を乗せた馬が出てくる、みたいなワンカット。そこかなあ。あるいは、大火事で人が右往左往したりしてるところに燃え盛る大木がどさーっと倒れてくるワンカットとか?
現代映画講義

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