少年遊びやすく学成り難し!?…日・米・中 高校生意識調査

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20050316ur01.htm

 自分の将来に明るい希望を抱いている日本の高校生は全体の24%にとどまり、米国と中国の3か国中、最低だったことが15日、文部科学省所管の教育研究機関の調査で分かった。将来に備えてしっかり準備しようという米・中に対し、日本は「今が楽しければ」という享楽志向が強く、学校以外では勉強しないという割合も際立って高かった。

 ◆「ほとんど勉強しない」 日本45% 米15% 中国8%

 調査は、青少年の意識研究・調査などを行っている財団法人「一ツ橋文芸教育振興会」と「日本青少年研究所」が昨年秋、日・米・中の高校生計約3600人を対象に実施。勉強や生活態度、国に対する意識などを聞いた。

 それによると、自分の将来を「輝いている」と答えた高校生は、米国46%、中国34%に対し、日本は24%。逆に「あまり良くない」(10%)、「だめだろう」(6%)は米・中を大きく上回り、悲観的な見方が強い傾向がみられた。

 また、将来への備えについて尋ねたところ、米・中とも「今からしっかり勉強しておくべき」が多かったが、日本は「若い時は将来のことを思い悩むより、その時を大いに楽しむべき」が半数を超えた。「今一番したい事」も米・中と比べて、「好きなように遊んで暮らす」、「何もしないでのんびり過ごす」が目立ち、「日本の若者が『いかに生きるか』について、明確な理念を持っていないことを示す結果」(同研究所)となった。

 平日に学校以外でほとんど勉強しないという日本の高校生は、1980年度調査の26%から45%に大幅増加。米・中と比べても突出した値になっており、昨年末に公表された国際学力調査結果などでも明らかになった、「学習意欲の低下」が深刻な状況にあることが裏付けられた。

 一方、国に対する誇りを強く持っている高校生は、米・中がいずれも29%だったのに対し、日本は15%にとどまり、米・中の50%前後が「誇らしい」と答えた国旗・国歌についても、日本は「何も感じない」が60%前後を占めた。

 こうした結果について、教育評論家の尾木直樹さんは、「今の高校生たちは学校や社会に居場所が見いだせず、自尊感情も薄いまま、身近で小さな世界に閉じこもっている。極めて深刻な状況だ」と指摘。「スポーツや文学の世界では若い才能も伸びてきている。大人は『今の若者は……』と批判するだけでなく、ボランティア活動などの社会参加を促す仕組みを整備し、彼らを受け入れていくことが重要だ」と提案している。

(2005年3月16日 読売新聞 無断転載禁止)


「財団法人 日本青少年研究所
http://www1.odn.ne.jp/youth-study/

ところで、日本とアメリカと中国の高校進学率の違いとか、どうなん?とか、
もとの調査概要をみると、中国だと都市部が多いとか、気になると思う。
そもそも、日本はともかく、広大&多様(文化とか地域とか階層とか人種とか民族とか・・・)なアメリカや中国で、十数校の高校を都市部でピックアップして1000にんばかりの生徒をサンプルにしても、それだけで「アメリカでは」とか「中国では」とかは言いにくいですな。
まぁ、そういうことを頭のすみっこに置きつつ読むデータか、と。