体協、子供たちに「歩き方」手ほどき 練習方法提案へ(朝日新聞)

http://www.asahi.com/edu/news/TKY200503180232.html

2005年03月18日17時10分

 正しい歩き方、教えます――。日本体育協会は新年度から、「歩く」「走る」「跳ぶ」といった基本動作の身につけ方を子供たちに提案する事業に乗り出す。一昔前なら遊びの中で自然に覚えた動きが、屋外で遊べる場所と時間の減少とともにぎこちなくなってきたことが背景にあるという。「10年前なら考えられない事業。保護者も、体力より学力というご時世なので……」と担当者は複雑な表情だ。

 文部科学省が毎年行う体力・運動能力調査によると、子供の体力低下に歯止めがかからない状況が続いている。その一方で、体力だけでなく、動きそのものを疑問視する関係者もいる。ソフトボール投げでは筋力のほか、投げ方そのものの問題が指摘されている。スポーツクラブに入っていても特定の競技にしか取り組まないために、全体的な体の動きが不得手な子供が多いという。


 日体協はまず今年度、400万円程度をかけ、発育、発達の研究者や教育専門家らによる研究班を立ち上げ、子供の「基本運動のリスト」を作る。その後、習熟度テストを実施し、評価法を確立したうえで、効果的な身につけ方や練習方法を提案する。結果は冊子にして、小学校の教師らに配りたいとしている。「背筋を伸ばして歩きましょう」などといった、人間として、さらには動物として合理的な体の動かし方を提案する試みだ。

 スポーツにも詳しい漫画家のやくみつるさんは「今は歩き方一つがビジネスになる時代。領収書を書く際のペンの持ち方がなってないと感じる店員も多い。手遅れになる前に何とかしようという発想は理解できる」と取り組みを評価している。

えー・・・っと?

「背筋を伸ばして歩きましょう」などといった、人間として、さらには動物として合理的な体の動かし方

か・・・。
これは、明治の体操教育による近代的身体の形成、みたいな話とはどうかさなっていくのだろうか?100ねんまえはナンバがふつうやぞ?
ボール投げでも、走るのでもいいけど、「自然」の中では出てこない動きだ
(手のひらにちょうど納まる大きさの滑らかな球形のボールをできるだけ遠くまで投げる、とか、まっ平らに均された100メートルのコースを一直線に走って100分の1秒を競う、とか)
し、
じっさい、「自然」の中で野生の猿が背筋を伸ばして生活しているわけでもないし、人間だってごく普通の生活の中では、モデルのように背筋を伸ばしたりアスリートのように腕を振って走ったり、デューク更家みたいにしゅんしゅん言いながら歩いたりは、しない。←更家については論外です。
だから、

一昔前なら遊びの中で自然に覚えた動きが、屋外で遊べる場所と時間の減少とともにぎこちなくなってきたことが背景にあるという。

なんちゅうのも、ほんまかいな、というかんじ。

うーん、ばくぜんと「さいきんのガキは姿勢が悪いしあるきかたもだらだらしとるなあ」という感慨が特に体育会系教師系のタイプの人たちの間に、ある、というのは、
想像つかなくは、ない。
しかしそれはべつにここ10年に始まった話でもないだろうと思う。
どっちかというと、
一方で「学力低下」ブームで、受験科目の教科に関心(とお金)が注がれ、
他方では、学校外のスポーツクラブなんかがさかんになって学校の体育系の部活の人気が落ちてきた、
なんていうと、体育の先生的には、こうやって存在をアピールしたくなる、というあたりでは。なんかとってつけたみたいにスポーツクラブの悪口も言ってるし。