『アンナ・マグダレーナ・バッハの日記』『セザンヌ』『ルーヴル美術館訪問』ほか

いつかは見ようと思っていたので見た。音楽の映画と絵画の映画。
『バッハ』のほうは、たとえばNHKの教育テレビのクラシックコンサートの時間、みたいなののほうが、たいくつしないで見せるくふうをしてる。
で、それは、演奏している最中の演奏家の苦悶やら恍惚やらの顔のアップとか、指さばきのあざやかなところのアップとか、そういうのをてきとうにつないでいるからなんで、ぎゃくにいうと、そりゃべつに音楽そのものではないぞ、と。で、なら、音楽そのもので映画を、ということになると、こうなるのか、と。
びしっと決まった構図と光の中で、固定カメラで延々演奏、みたいな。で、それだけかとおもったら、映画の真ん中ぐらいで急に小芝居とか始めて、レオンハルトっていう高名なバッハ弾きの人が、ベルばらのオスカルみたいなかつらで小芝居をしてるんで、そのへんはむしろ「お江戸でござる」みたいなもんかな、と。で、小芝居だからしょうもないかな、というと、急にアクションが入ったりして、階段とか扉とか、なんか長いテーブルとか、奥行の深い構図がびしっと決まって瞬間的にかっこよかったりもする。
セザンヌ』『ルーヴル』のほうは、字幕で見るのはつらいか、と。絵を固定ショットで延々と写しながら、絵画論をぶつぶつとぼやく、みたいな。