育児と研究両立に向け、10大学でモデルづくり

http://eri.netty.ne.jp/educationnews/2006_06.htm#14_03

日本の女性研究者の割合は、05年度の科学技術白書によると、米国の3分の1の約12%、英国と比較すると半分以下であり、調査した28カ国中最低レベルにある。このような状況を考慮し、10大学において育児宿泊所を整備したり、ワークシェアを導入したり、勤務時間を「午前9時〜午後5時」に徹底するといった女性研究者の出産・育児と研究の両立を支援する事業に、国が乗り出す。お茶の水女子大や早稲田大をはじめとする10大学に今年度から3ヵ年で約15億円が補助され、モデルづくりを目指すと同時に、2006年〜2010年にかけて、自然科学系の女性研究者率を25%に伸ばす目標を掲げた。
[2006年6月14日付 毎日新聞より要約]

二点。
第一点は、理科系の場合、徹夜で実験、みたいなイメージがあって、そうすると「勤務時間を「午前9時〜午後5時」に徹底する」などということをできるもんかいな、と思う。あんがい、このことを口実に、9時5時のサラリーマン的出勤を義務付けるほうが管理しやすいみたいな結果になったらいやだな。
第二点目。ごく単純に考えて、研究者になれる・なるべきしかるべき能力のある人で、育児ができないからということが理由で研究職を断念する、という人がおるのやろうか? 自分の知り合いは文系ばかりだけれど、なんとかつじつまをあわせてうまいこと家庭と研究を両立している。およそ世の中の職場があまたある中で、研究職ぐらい時間が自分の裁量にまかされている(しかも、才能さえあれば、何年かのブランクもマイナスにならない)仕事はないだろうと思う。だから、研究職でモデル作りをしてもほとんど意味ないような気もしなくはない。もし研究職で理想的なモデルを作ったら、およそ夢のように何不自由のないゴージャスな出産&育児ができるようなことになって、およそ世間のごく普通の職場で通用しないようなことになるのではないでしょうか、と思う。まぁ、理系のことは知らんけれど、たとえば徹夜で実験をしなくてはならない種類の理科系の研究職なんて、大相撲の力士みたいなもので、それはもう特殊な、最初から(もし出産とか育児とかを世間並み以上にゴージャスに不自由なくやりたいという願望があるなら)女子に向かない数少ない職業だと認識した方がいいんじゃないでしょうか。
ていうか、女子が理科系研究職につかない理由って、そんなところにあるわけじゃないのではないでしょうかー?と思います。