『タイタンの妖女』を。

ヴォネガット追悼ということで本屋を探したらこれしかなかった。ちょうど読んでなかったので購入。

新本屋で買ったので、文庫本に帯がついていて、爆笑太田が「今までに出会った中で、最高の物語」というコメントを寄せている。たぶんあんまり本を読んだことがないという意味だろうから無視する。それで、読んで、まぁよかった。今までに出会った中で、最高の物語か、というと、そういうわけでもないとは思う。同じヴォネガットでも、さしあたり『猫のゆりかご』のがよかった記憶はある(まぁ、最初に読んだヴォネガットだった、というのもあるだろう。ヴォネガット、つごう8作ぐらい読んだぐらいだと思うけれど、けっきょく最初に読んだのがいちばんよかったということか)。
それはそれとして、時間と自由とメタフィクションの組み合わせについては、このところずっと囚われているので、ここでまた出合ったかいな、というかんじ。
あと、つまらんことだが、いままでヴォネガット関連の文章なんかを読みながら、なんとなくトラルファマドール星人のことをトラファルマドール星人だと思っていたのが、じつはトラルファマドール星人だったのに気づいた。ありゃまあ、という感じだが、しかし、トラ→ル→ファ→マ→ドールだろうがトラ→ファ→ル→マ→ドールだろうが、時間の前後などはトラルファマドール星人からすればかんけいないということで。ていうか、名前がいちいちひっかかる。ラムズフェルドみたいな名前のラムファード、とか。日本人ワタナベ・ワタルの娘がベヴァリー・ジューン・ワタル(ワタナベ、ではなくて!?)だとか。マラカイ・フェイバースならぬマラカイ・コンスタントだとか。
まぁそれはどうでもいいことで、つまるところ、わるくなかった。
最後の数頁でいきなり泣かせにかかるところとか。