http://osaka.yomiuri.co.jp/edu_news/20070524kk02.htm
学生さんたちが興味を持ってた話題なので。
市教委、5月から全中に拡大
携帯ゲーム機「ニンテンドーDS」を英語の授業で実験的に使用していた京都府八幡市立男山東中学校で、ゲーム機を使った3年生の英語の語彙(ごい)が5か月間で4割前後増えていたことが、上智大文学部准教授らの調査でわかった。市教委は、英語の基礎教育に効果がみられたとして、ゲーム機600台を購入し、今月から全市立中4校の2年生(対象生徒約550人)の授業に導入した。
ゲーム機は、専用のペンで英単語を画面に記すと、その発音が音声で流れる仕組み。ソフトは東京のソフト開発会社が制作し、1800語が収録されている。同校では、昨年9月から約5か月間、当時の3年生の希望者49人を対象に、英語授業の冒頭10分間にこのゲーム機を使って英単語の学習を進めてきた。
調査は、ゲーム機導入にかかわった上智大文学部の池田真准教授らが実施。生徒を約半数ずつ2グループに分けて今年2月に確認テストを行った結果、1グループの平均語彙数が361語(35・2%)、他方のグループが423語(41・8%)増えていた。
英検3級を受けるのに最小限必要とされる1300語以上に達した生徒は実施前の19%から79%に増加していた。
現場の教師は「普段より3、4倍は集中して取り組んでいるように見えた」と評価。市教委は「2年生の段階で中学英語教育に必要な単語をすべて覚え、少しでも余裕を持って高校受験に取り組ませたい」と、2年生全員に拡大して使用することを決定。国の支援を受けてゲーム機600台を購入した。
市教委は今年度、10〜15分の短時間で読み書きや計算の反復学習を集中して行う「モジュール学習」を行うための特設教科「総合基礎科」を全市立小、中学校に設置しており、「ゲーム機使用を組み合わせ、密度の濃い学習を行いたい」としている。
(2007年5月24日 読売新聞)
これ、まぁ、DSを「ゲーム機」と呼ばずに、安価で高性能なインターフェースを持った新しい端末と呼んでみたら、教育工学をめぐるごくあたりまえのニュースではある。
それはそんだけなのだけれど、なにがもんだいかというと、「学校教育って何よ?」みたいなことである。
「普段より3、4倍は集中して取り組んでいるように見えた」
というのは、見る方向性が逆なんであって、
従来の「授業+宿題+テスト」というシステムと、DS利用のシステムとを比較して、DS利用システムのほうが、子ども達から「3、4倍は集中して」エネルギーを吸い出してる、っていうことである。
しかもそれを、苦痛というより快楽をあたえつつやっている。
つまり、人間をより能率的に&中毒的に働かせるシステムが、技術的に、できるようになってきた、ということだ。
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