『ドキュメントハックス』、卒論指導のことを思い浮かべつつ読んだ。

文書作成についてのハックス本、ということだけれど、そこで念頭にある「文書」ってのは、イメージとしては、電化製品とかパソコンのソフトのマニュアルとか、そういうかんじのものを思い浮かべるといいと思う。著者は、もともとテクニカルライターの人であるそうだ。なので、そういうイメージ。しかしまぁ、それに限らない文書作成の一般的なハックである。
それで、読んでいると、卒論指導のことを思い浮かべる。論文執筆法のテキストを一冊だけ読むならこの本ではないけれど、たくさん読んでるうちに一冊、この本が混じってたら、ちょっと目先が変わっていいかもしれないとか。理科系の作文技術、てかんじで。
まぁ、ふつうに読めば、もうすこし別の文書作成を思い浮かべることになるわけで、つい数日前までずっとやっていた、学内の文書作成の委員会の仕事を思い出す。でもそれは、もうかなり先が見えて、最終稿にちかい形で手を離れて最終チェックにかかっているところであるので、ちょっと気持ちがそっちに入っていかない、というところはある。
あとまぁ、その学内委員会の報告書にしても、あるいは学生の卒論にしてもだけど、かなり丁寧に情報収集・調査をして材料を集めないといけなくて、その調査そのものが文書作成の仕事の大半であるといってもよいわけで、ところが、この本では、文書作成全体の作業プロセスの中でいくと、一番最初の企画の段階で情報収集はあらかたできてるようなことになってるんである。そのへんが、この本の念頭にある「文書」の種類が電化製品のマニュアルとかみたいだ、というところからくることで、つまり、それならば情報収集は最初の段階でほとんど終了している。
そのへんの、作業のバランスとかを念頭においておきさえすれば、卒論指導にもちょっと参考になるかも。