「体力と学力に相関関係も 秋田ともに上位、大阪は危機感」

http://www.asahi.com/edu/news/TKY200901210353.html

体力と学力に相関関係も 秋田ともに上位、大阪は危機感 2009年1月22日
 21日に発表された文部科学省の「全国体力・運動能力・運動習慣調査」。都道府県ごとに示された結果に対し、担当者は全国学力調査に続いて「一喜一憂」し、敏感に反応した。早くも、体力増進を目指して新たな大会を企画する教育委員会が出ている。

 中2で男女とも全国1位だった千葉。07年度から始まった県教委の取り組みでは、休み時間などを使い、子どもたちがリレーや連続馬跳びなどにグループやクラスで挑戦する。上位に入るとHPで発表し、表彰するという。

 県で毎年実施している体力調査では、小5と小6で好成績を収めると「運動能力証」という賞状を出す。県教委は「遊びながら競い合って体を動かし、運動能力を伸ばすことにつなげてもらいたい」。

 学力調査で2年連続全国トップクラスだった秋田は、今回の調査でも小5の男女で2位に入った。始業前に全校児童でマラソンや縄跳びなどに取り組み、特に小学校で体育の授業以外の運動を推進しているという。

 県教委は、学力と体力は「関連あり」とみる。県の07年度の調査でも、小6で学力が県平均より良かった14自治体のうち、13自治体は体力でも県平均を上回った。県教委の神居隆次長は「体力も学力も、朝食をきちんと食べるといった生活習慣があってこそなのだろう」と話す。

 一方、低い結果だった北海道は、授業以外に縄跳びやかけっこなどをしている割合が低い。道教委の担当者は「冬が長くて外が使える期間が限られていることも背景にあるのではないか」という。

 学力調査同様、全国平均を大きく下回った大阪府橋下徹知事は21日の定例会見で言った。「学力も体力も低い。大阪はどうすんねん」。全国学力調査同様、文科省は今回の調査についても、過度な競争を招かぬよう市町村別や学校別の結果を公表しないよう求めている。しかし、知事は「体力増強に向けた課題を分析し、学校現場に奮起してもらうためにも、市町村教委は結果を自主公表すべきだ」と言い切った。

 府教委は来月にも各市町村教委の担当者に自主公表を呼びかける予定だ。今回の結果で持久力が低かったことを受け、来年2月には小学生を対象にした駅伝大会を企画。学校ごとに出場し、児童1人につき1千〜1500メートル走らせる案が出ているという。

 ただし、8種目にしぼっている調査結果が子どもの体力を判断する絶対的な指標になるのか、疑問の声はある。「順位を上げるため」だけの競争が広がることへの不安も強い。九州の小学校教諭は「教師も子どもも、学力向上で追いまくられているところへ『体力向上』が降ってくるのだろうか。運動が嫌いな子を増やすことにならないか」。多くの項目で平均を下回った東京都内のある区の教委関係者は「現場にプレッシャーをかけて結果を上げるような動きが広がっては、ますます教師が疲弊する。学校や自治体としての条件整備を考える必要がある」と話した。

「相関がある」ってのはどういうことなのかというので、そっから先は解釈の世界になるのやろうけれど、解釈の世界になると自由にいろんなことを言えるようになって、

「体力も学力も、朝食をきちんと食べるといった生活習慣があってこそなのだろう」

という言い方は、「生活習慣を正せ!」という説教にはべんりだけれど、その「生活習慣」というのはどっからでてきたのか?
や、まぁ、さほど異常な解釈には見えないとは思うけれど。
でもたとえばきょくたんなはなし、理屈の上でぜったいに相関がでないはずのふたつの変数に相関が出てしまったとしたら、疑われるのは調査そのものの信頼性だったりすることにもなるだろう。
たとえば、学力と体力に相関が出たのは、「調査にまじめにとりくんだかどうか」を示しているだけでした、みたいな種類のオチもなきにしもあらずだ。
ていうかそういうのもふくめ、まぁ学力については、教育社会学の定番として、階層とか親学歴とかとの相関もあるわけで(「橋本っちゃんの得票率との逆相関」も出てるってネタがありましたね(http://b.hatena.ne.jp/entry/11503461/%E3%80%8C%E6%A9%8B%E4%B8%8B%E6%B0%8F%E3%81%AE%E5%BC%B7%E3%81%84%E5%9C%B0%E5%9F%9F%E3%80%81%E5%AD%A6%E5%8A%9B%E4%BD%8E%E3%81%84%E3%80%8D%E3%81%A8%E5%88%A4%E6%98%8E%20-%20kei999%E3%81%AE%E6%97%A5%E8%A8%98))、そういうのに目配りしつつ解釈をしていくのがいいと思いますよ(橋本っちゃんはこのさいおいとくとしても)。