大西順子とゴンサロ・ルバルカバのカセットテープを引っぱり出してMDに落とした。

カセットテープが、もうずいぶん前からのものなので、聴いたら劣化してたり伸びてたりしたらブルーになるのでこのところ聴けないのだけれど、意を決して引っぱり出してみたら、いちおう聴けたので、MDに落とした。MDってところがまたあれですが。

WOW

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これはやはりいいです。エリントンとモンクとオーネットをエディ・コスタでごつんごつん弾きまくった、というかんじ。それに、大西オリジナル曲の、パスティッシュ具合がいかにも90年代でいいかんじ。モンク風の曲とか冗談としか思えないけれどやっぱり聴いてていいかんじなので単なる冗談だけではない。
クルージン

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こっちのほうが本気かもだけれど、ちょっと大味な気がしてねえ。でもいいけど。
イメージズ

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はい、ゴンサロ。ライブですね。たしか、当時テレビでやった日の「枯葉」がよくて、すっかりまいってしまった記憶がある。で、ライブ盤を聴いたらたぶん別のテイクだった。
しかし、それはともかくとしてこの人、消えたのかなあ?
大西順子は復活したらしくてこれはめでたい。

たいへんしつれいいたしやした。
http://www.yamaha.co.jp/artists/specialarticles/008/report-01.html
ぜんぜんひきつづき精力的にごかつやくのようで。
ところでちょっとおもしろいのが、インタビューの中で、

Question : 変拍子ポリリズムが多用されている点も印象に残りました。

Gonzalo : 確かに変拍子は使っていますが、最初から「今度は5拍子でやってみよう」とか「7拍子でやってみよう」というように作ったわけではありません。ちょっと実演してみましょうか。(メロディを歌う)こんな風に自由に、まるで絵を描くようにメロディを歌ってみますね。この何となく思いついたものをピアノで弾いてみると、ほら5拍子です。私たちの曲も、面白いと思ったメロディを実際に譜面にしてみたら「ああ5拍子だった」、「ああ7拍子だった」という感じなんです。これは音楽を作り出す方法としてとても自然で純粋で、自分に正直なやり方なんじゃないかと思うのです。
もちろん別の方法もあります。たとえば伝統的なキューバのリズムに8分の12拍子がありますが、これをみんなで演奏していて、誰かが「ちょっと変えてみよう、ここに1拍加えてみようよ」という感じで試行錯誤する場合もあります。これはもうちょっと理論的に作っている音楽の作り方です。そんな風にできた曲もあります。

っていってたところ。
たしかにこの人はポリリズムの感覚で弾いてるのがよくわかって、それが根っからのリズム感としてそうなのだというのがよくわかる。クラシックをやっていてピアノを弾く技術がすごい人だ、というのはそうなのだけれど、根っこのところの感覚がキューバンな感じ。
で、それはそれでいいのだけれど、昔、テレビでやってたんだけれど、Mt.Fujiの最後のオールスター演奏で「チュニジアの夜」をやったはいいが、音響の悪いステージで大人数で、太鼓だけでも3人ぐらいでぼこぼこ叩きまくって、ただでさえリズムの在り処がわからないっていうか今どこを演奏しているかわからない状態になっていたのに、ピアノがゴンサロさんだったので、リズムセクションの一員としてきっちりとコードを提示して演奏を進行させましょうという義務感がまったく感じられず、キューバンで自由でノリノリなバッキングをしてくれていたので、大物然としてアドリブを吹き始めたフレディ・ハバードさんが混乱してしまってぐだぐだになってしまってた。というのを見てからですね、ああこの人のリズム感は天然だな、スイングとかではないな、と。