- 作者: 岩田靖夫
- 出版社/メーカー: 筑摩書房
- 発売日: 2011/04/07
- メディア: 単行本
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よみながらふと、裏返しのフーコー、ということを思いついた。このまえれいによって丹生谷貴志を読み返していて、ニーチェの系譜学がキリスト教のルサンチマンやニヒリズムを批判したのをフーコーが受け継いでて云々みたいな話が出ていて、そこで『性の歴史』でフーコーがギリシャをとりあげたというはなしにつながってくる。ていうか岩田ジュニア新書『ヨーロッパ思想入門』(http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20050720#p1)でもそうだったわけで、ていうかようするにたぶんあたりまえのはなしということで、ヨーロッパというのはギリシャ+ヘブライだというので、そこからヘブライを引き算してみたときに何が見えるか、というのをギリシャにおいて確認するってことはあるだろう。
この本では、途中でニーチェなどにも言及して、つまりプラトンの『国家』の中ですでにニーチェの弱者道徳=ルサンチマンみたいな議論が出ていて、プラトンはそんな議論は折り込み済みでしかも超えてるのだ、と言ってるようなのだけれど、でもそれもふくめ、けっきょくギリシャだけでは現在のわたくしたちにはやっぱし物足りないかんじがするわけで、なのでオチにヘブライをもってくるわけで、そのあたりの足取りは面白いかもと思った。それはそれじたいで成立しているはずのギリシャを現在のわたくしたちの目でなんか見るからものたりなくなるわけなのだけれど、そこがヘブライで埋められるあたりの仕組みがおもしろいのかも、と。