風邪気味のゴールデンウィークのお伴は『袋小路の男』。これはいい。

袋小路の男 (講談社文庫)

袋小路の男 (講談社文庫)

この人をめっけたのは去年、震災よりも前であるらしい(http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20110131#p1)、新聞の書評欄で見かけてふと買って読んだ『絲的炊事記』という奇妙な料理企画エッセイが悪くなかったという印象が残っていて、それで先日これまたふと、タイトルだけはやはりどこかの文芸時評かなにかで知っていた『逃亡くそたわけ』と、ついでにもう一冊を買って読んだ、というしだい。いや、わるくない。さしあたり頭がよさそう。登場人物たちが、頭がよくて不良で、いまどきタバコを吸いまくりウオッカの飲酒運転でブッ飛ばすような人たちで、どこか人間性が欠落していて孤独でその孤独を受け入れる、人間関係があればあったでその関係を受け入れる、みたいな。