通勤電車で読む『地方にこもる若者たち』。

新聞の読書面で出てたので、非常勤先最寄りの書店で購入。バイク便ライダーの人。バイク便のときからそうなのだけれど、ぱっぱっと面白いところもあるけれど、薄いなあ、というのと、雑だなあ、という印象も。Jポップの分析、などというところは人様に見せるレベルではないし、「ギャル」という言葉のニュアンスにもどうにも納得いかない。あれ? じゃあ、つまんなかったのかなあ? ていうか、『AERA』の記事だと思ったら好感のもてるほう、っていうぐらいのかんじ。ていうか、上野ゼミが繰り出す気鋭の社会学者、という括りの一連の人たちの新書本に共通する、常識ひっくり返しの底の浅さというのはまぬがれてないけれど、その中でいえば『AERA』的な掴みのキャッチーさは感じる。岡山県北の山間部の若者は、休日には車で二時間かけて倉敷のイオンモールに出かけてユニクロ服を買うのがお気に入りなんだとよ! という、蔑視すれすれの現実を拾い上げて、そこから、「ファスト風土」(三浦展)でそもそも生まれ育った世代の生態を描き、さらに(頼まれもしないのに)彼らを肯定し彼らの中に可能性を見出そう、という。