通勤電車で読む『男のパスタ道』。学生に勧める新書本リストにやっぱ入れときゃよかった。

学生に勧める新書本リスト、もうリリースしちゃったんやが、一瞬よぎってやっぱ入れなかった本。ていうか、某HONZのレビュー(ペペロンチーノを科学する世紀の奇書『男のパスタ道』は「いきの構造」にならぶ(かもしれない)名著である - HONZ)で、これはきっと面白いと思いながら、なんとなくあとまわしにして買ってなかったんで、学生に勧める新書を選ぶときにもまだ買ってなくて、本当は面白いんだろうと思いながら、学生さんには合わないだろうなあと早合点してスルーしてしまってたわけである。
なんだが、やっぱ買って読んでみたら、やっぱ面白かったし、これなら学生さんも面白く読んでくれただろうと思う。パスタの、ペペロンチーノを作るというだけのために、小麦粉の成分のアミノ酸がどうのこうのみたいな話から始めるというので、それはちょっと学生さんは退屈するだろうと思ったのだけれど、読んでみたら、どっちかというと「夏休みの自由研究」みたいなDIY精神あふれる研究態度で、「実験」もすべて自宅のキッチンでやってて、家族みんなで食べ比べてみる(著者いわく「家庭内二重盲検法」)という。それで、パスタにおける「コシ」の定義からはじめて、ゆで方の探求、湯に塩をどのぐらい入れるか、そもそも塩の役割は何か、湯の分量は、温度は、どうやってゆでるか、うんぬん、また、どんな麺を使うか、麺の太さは、長さはどのぐらいがいいのか、また、油はどのようなものを使うか(ここで本書最大の衝撃の発見が開陳される)、ニンニクは、唐辛子は、どのように切りどのように調理するか、うんぬん、とまぁ、新書一冊で探求しつくした挙句に、ペペロンチーノのベストレシピ4種を提案するという。
これ、DIYな実験精神なところ、学生さんに勧めればよかったなあと。