『三里塚・第三次強制測量阻止闘争』。短いし動きが派手だしおもしろい。

三里塚シリーズ DVD BOX

三里塚シリーズ DVD BOX

小川紳介みるシリーズ。これは50分の中篇。前作で、うす暗い部屋の中で農民のおじさんたちが延々喋る顔のアップを中心に2時間近く続いたのに対して、今作では屋外で、公団とか機動隊とかと反対派の農民のおっちゃんおばちゃんたちがもめてるところばっかなので、画面に動きがあっておもしろい。国は空港予定地に残ってる住民の土地やら農地やらを強制接収する法律でもって、公団とか機動隊の人たちがずんずん農地に入ってきて土地測量を始めようとするんで、反対派の農民の人たちが徹底抗戦、バリケードを組み、よくわかんないけどめらめらと火を燃やして黒煙が吹き上がり、ヘリコプターが始終飛び回り、機動隊がやってきてジュラルミンの盾で農民たちを押しやり、学生たちを引きずり倒して逮捕する。怒号とか悲鳴とか、あるいは居直ったような座り込みとか。測量班が杭を打ってるところにおばちゃんが身を挺してとびこむとか、測量の道具をひっさらって畑のなかで鬼ごっこみたいに走って逃げるとか。下肥をビニル袋に入れた「糞尿弾」とか。機動隊は地面に身を投げ出してる妊婦を蹴り上げるとか。少年行動隊と称する女の子たちも地面に折り重なるようにしながら機動隊だか測量班だかを見上げて半泣きで「かえってくださーい」「帰れヨゥ!帰ったらいいでしョー」とか。