通勤電車で読んでた『マルクスを再読する』。『マルクスだったらこう考える』の人による、社会運動を志す青少年のためのマルクス入門読本、アルチュセールとスピノザをいちおう経由、といった趣。

マルクスだったらこう考える』の人の本(「『マルクスだったらこう考える』」の検索結果 - クリッピングとメモ)で、もとの単行本も『マルクスだったらこう考える』と同時期、2005年に出てたのだそう。ネグリの「帝国」うんぬんとかグローバリゼーションとかといった現状認識からスタートして、アルチュセールスピノザをまず紹介しておいてから、マルクスの著書を年代順にあれこれ参照しながら、現代を意識しつつ − ということはつまりグローバリゼーションに対抗する社会運動のためにはなにが必要かといった問題意識で − マルクスを読む、という。で、著者の人が、出版社の編集の人と学生さん二人とを相手に研究室でちょっとずつ講義をして、それで書いていったということで、文章は「ですます」調だし、なんかこう、昔だったら労組とか?が若い勤労青年むけに出してた、かみくだきにかみくだいたマルクス主義入門みたいなのがあったと思うのだけれど、なんかそんな感じがしなくもない。まぁしかし、そういう入門書が、アルチュセールスピノザを経由した現代風のマルクス読みで出たというのであれば、それはそれでけっこうなことである。