通勤電車で読んでた『ユートピア探し 物語探し』。むかしむかし『へるめす』でやってた大江健三郎・井上ひさし・筒井康隆の鼎談。

以前、学校帰りの古本店で購入、少し読みかけてストップして積読になってたが、先日ツイッター大江健三郎の名前をふと目にして、またその流れで書店であれこれ買った文庫の一冊が大江の対談だったりして、なんとなく積読状態から取り出して読んでた。むかしむかしに『へるめす』という雑誌があって・・・というわけで、その創刊・一周年・三周年の記念号に掲載されてたらしい鼎談をまとめた本なわけで、そうすると『へるめす』とは、ということになり、お得意のWikipediaを覗いてみると、

へるめす - Wikipedia
『へるめす』は岩波書店が刊行した学術誌である。「文化の総合雑誌」を目指した。
1984年12月、季刊誌として創刊。磯崎新大江健三郎大岡信武満徹中村雄二郎山口昌男が編集同人となり、編集長を大塚信一(後に岩波書店社長)が務めた。

とのことである。まぁ、時代的に言うとニューアカの時代に、まぁプレ・ニューアカというか原・ニューアカというか、まぁオールドスクールというか、創刊時に高校生だった自分的にもけっこうびみょうなイメージの雑誌だったわけで、しかも後年、『小説から遠く離れて』で井上ひさし大江健三郎はかなりきびしめに(まぁ、大江健三郎はかなり肯定的評価をされてるにせよ)分析されるわけで、それがまさに「ユートピア探し 物語探し」というタイトルでのんきに鼎談をやっているというのが、悪趣味な興味をそそらなくもないわけなのだった。ちょっとおどろいたのは、当時の三人が、いまの自分とおなじか少し若いぐらいの年回り(アラフィフ)だったということで、まぁ、ニューアカで育った世代としては微妙に世代が違うだけでさっぱり内容は響かなくて通勤電車でなんどもうとうとしつつ読んだのだけれど、しかしいまの自分と同年代だったのか、というびみょうな発見?はあった。