ふとケーブルテレビで見かけて『御法度』再見。なんか意外に面白かったな。

御法度 [DVD]

御法度 [DVD]

  • 発売日: 2000/05/21
  • メディア: DVD
ちょっと早いけど寝ようと思って布団に入り、でもまぁ寝られないかなあというので枕元のテレビをつけてチャンネルをぱちぱちと変えたり番組表を見たりしていたら『御法度』やってるというのに気づき、途中からだったが見てみたら、坂上二郎さんがごじゃごじゃいっているところだった。崔陽一、トミーズ雅桂ざこば藤原喜明、といった、まぁいわゆるプロの役者ではない人を、大島渚は使うわけで、それはビートたけしだってそうだったわけで、また本作でデビューさせた松田龍平もそうだったわけである。まぁ、セリフ回しがいわゆる不自然で、以前見たときにはそれでピンとこなかったんだが、あらかじめそんなものだと思って、しかもどうせ途中からちらっと見るぐらいの期待の低さで見たら、意外と悪くない。ついでにいうと、以前見たときにもうひとつピンと来なかったのは、松田龍平が妖しい美貌というふれこみだったわりにたいしたことないからなわけだったけれど、それもあらかじめハードルの低い状態で見たらまぁそういう設定ってことで見られる。で、この妖しい美貌の松田龍平をめぐって、新選組の男たちが浮足立って疑心暗鬼のやりとりをするわけで、それが、職業役者ではない人たちのちょっとした(不自然な?あるいは自然な?)表情や間合いもあってか、なかなかわるくない。トミーズ雅ビートたけしのやりとりとか。いっぽう、殺陣の場面なんかは、暗闇の中に刀がギラリ、ギラリと光ってかっこいい、というか総じて夜の場面ばかりの印象で、暗い画面の中でいかついおっさんたちが松田龍平をめぐって疑心暗鬼のぎこちない会話をするという、なんかおもしろい映画なのだった。それで、唐突に終わって坂本龍一のいかにもな曲に合わせてクレジットが流れて、それを最後まで見てから、ごそごそと布団から這い出してDVD棚から昔録画してあったのをひっぱりだして、最初から見直した。