通勤電車で読んでた『食通小説の記号学』。

買って以来幾星霜、もう本棚の一部かなというぐらいに溶け込んでいたものにふと目が行って ー それは目の前に並んでいたわけで ー 手に取って通勤電車で読んだ。食通小説なり食べ物エッセイなりというのは昔よく読んでいて、まぁ明治以降のそういう食通文学をあれこれとりあげて論じている。記号学、というけれどまぁ記号学記号学しているわけでもなくて、まぁ食べ物の味について文章で書いてもそれは味そのものではないわけで、しかし文章で表された味の質が文学の質として機能するんだから味とは文学のメタファーだよねみたいなことと、あと、あれこれの書き手や作品に登場する食味がどのようなコノテーションを持っているかみたいなことだとおもう。