学生さんたちにテキストエディタを使わせるには。

学生さんたちは、パソコンでレポートや卒論を書くのに、WORDなんかのワープロソフトを使おうとする。よろしくない。
仕事で文章を書く人は、みんな(たぶん)テキストエディタを使っているはず。軽いテキストエディタでざくざくと文章を作成して、一番最後に完成品を印刷するときにワープロソフトで整形して印刷、というのが定番じゃないだろうか。
ところが、その説明をいくら学生に言っても伝わらない。
んで、いざ卒論とかになったときに、ファイルが壊れただの、操作がうまくいかなくて入力が進まないだの、なんだのかんだの言うし、草稿をメールで送らせると巨大なワード文書ファイルを添付で送りつけてくる。ろくなことがない。
じつは、大学にはパソコンの授業というのがあって(あるいは一般の「パソコン講習」みたいなのでもたいてい)、そこでは「ワードとエクセルの使い方」を教える、ということになっていて、たぶん、その手前の話 − そもそも、ワードやエクセルというのもパソコンのソフトのひとつに過ぎなくて、ていうかそもそもWindowsだけがパソコンではないわけで、みたいな次元の話 − は、学生の印象には残っていない(か、あるいはそもそもしていないか)のである。学生諸君は、とにかく目の前に「ワードとエクセル」を差し出されてそれを覚えさせられる。それはたぶんたいていそういうもんなんでしょうな。パソコンの授業の先生がワードを使えと言っているので、私などが後から「アホか、テキストエディタで書くに決まってるやんけ、メールに添付したり、ひとに提出したりするのはテキストファイルに決まってるやんけ」といくら言っても、変な人がマニアックな事を言ってる、私そんな変わった事はできません、みたいにしかうけとられない。
理不尽である。
学生諸君にテキストエディタを使わせて、テキストファイルベースで作業をさせるにはどうすればいいか。
で、そういう説得力のある説明をしているページを探すけれど、これまたなかなかない。
わりかし自分のイメージに合うのは、例えばこの方の説明↓。翻訳をやってらっしゃる方なのかな。「yook'sぷらねたりうむ」の中の、
http://nagoya.cool.ne.jp/yook/honyaku/introeditor.html

ワープロ VS テキストエディタ

翻訳だけでなく、執筆作業でワープロソフト(Microsoft Word や一太郎など)を使っている人をよく見かけます。もちろんどんなソフトを使おうと各自の自由ですし、そのワープロソフトを気に入っているなら全く問題はありません。でも、「テキストエディタ」という、執筆に特化したソフトがあることを知らずに、ワープロだけを使っているとしたら、ちょっと考えてみてください。

実を言いますと、ワープロソフトは文章を書くために設計されたソフトではありません。目的はあくまでも文書の印刷やプレゼンテーションなので、ページ内でのテキストの配置とか、整形、フォント、グラフィックスなど、様々な要素が扱えるようになっています。しかしその一方で、「文章を書く」という点に関しては、使い込んで行くにつれて不満な点がでてきます。以下に、私がワープロソフト一般に対して個人的に持っている感覚を書いてみました。

● ワープロは「頭に浮かんだ文章を即座に反映してくれない」
テキストエディタのように純粋なテキスト(文字列)を扱うだけでなく、フォントの種類や大きさ、ぶら下がりの影響を受ける文字間隔の調整など、「画面表示」に関する処理が重点になるので、画面上でのテキストの表示に時間がかかり、考えたことが即座に文字として反映されないもどかしさを感じる。

● ワープロは「不安とストレスのかたまり」
上記と同じ理由から一つ一つの処理に時間がかかり、当然その間にエラーの出る可能性もある。したがってせっかく書いたテキスト(これが一番大切な部分)が失われる危険性がある。現に私も何度かファイルが破損した経験があり、不安感の中で仕事をしていると、非常にストレスがたまった。

● ワープロで書くと「雑念が入る」
ワープロで文章を書いていると、元来が DTP 目的のソフトなので、装飾、強調、レイアウトなどが気になってしまう。つまり、ついつい見出し文字のフォントを変えて強調したくなったり、美しいレイアウトやジャスティフィケーションなども使いたくなる。こうした雑念が入るため、(人によっては)文章作成そのものに集中できないことがあり、結果として生産性の低下につながる。

● ワープロは「自分の思い通りにならない」
基本的にワープロソフトはソフトメーカーの「お仕着せ」であり、自分好みのカスタマイズが難しい。したがって長時間仕事で使う人にとってはストレスが溜まりやすい。また小説家などが原稿用紙も自分専用のものを持ちたがるといった、「オリジナル志向」を満足させることができない。

こうした理由から、私は仕事ではエディタだけを使っています。もちろん得意先から 「Word のファイルで送ってくれ」などの要請があれば、執筆作業はすべてテキストエディタ上で行い、終了した時点で、テキストファイルを指定のワープロソフトに読み込めばよいだけです。

そしてもう一つ、翻訳に限らず論文などの執筆作業では、検索をいかに効率よく行うかが、作業能率を大きく左右します。執筆した文書をすべてテキストファイルで保存しておくと、QXなどのテキストエディタでは GREP を駆使してプロジェクトやディレクトリを対象とした検索が実行できます。これはワープロでは真似のできないテキストファイルの大きなメリットでしょう。また保存するファイルのサイズも、ワープロに比べて遙かに小さくてすみ、「ソフトのバージョンが異なるために大切なファイルが開けない」などのトラブルも皆無になります。

こんなかんじ。
あと、つけくわえると、
テキストエディタって、フリーソフトでいいのが出てるんですよねえ。
で、シンプルなソフトなのでエラーも少なくて、ワードよりよほどシュアに作動しますよ。それが無料。

うろうろしていたら、まだ使ったことのないのを見つけた。
サクラエディタ
http://sakura-editor.sourceforge.net/
http://members.at.infoseek.co.jp/sakura_editor/

はい、インストールしてみました。
悪くない。ただ、印刷の設定がよくわからない。印刷プレビューがぐちゃぐちゃになるのはなんでだ?

ついでに、以前からインストールして使ってなかった「TepaEditor」をもう一度いじくってみたら、分からなかった設定のやり方がわかって、これなら使えるじゃん、という感じ。
http://www.greenspace.info/tepa/index.html

というわけで、いっきょに2つ、エディタが増えたようなものだが、
まぁ、実際に自分で使っているのは、
自宅のメインマシンのメインエディタは「秀丸」、サブが「イエローミント」、
研究室のは「イエローミント」を使ってます。
うーん、「サクラエディタ」「TepaEditor」は、「イエローミント」より使いやすそうかなあ(起動したときにIMEが立ち上がる設定がないのが玉に瑕なんよなあ)。研究室のんを乗り換えようかなあ。
でも「イエローミント」、なんか愛着がわくんだよなあ。

ていうか、とにかく学生に薦められるのを探しているので、このへんのならどれでもよさげ。

とか書いていたら、「おとなり日記」でまさに共感の嵐なことを書いておられる方が。
id:totsugeki:20050209
はいはいはい。
一太郎」というのがまたややこしいのですね。
じつはさらに上手で、「「文豪mini」で表組み満載で入稿」というのがあったりもするのですが。

で、上記↑の記事のコメント欄から辿った、役立ちそうなページ。
「DTP原稿データ入稿Q&A」
http://www.ognet.jp/project/index.htm
まぁ、これを直接学生さんたちに読ますのはしんどいかなあ。
でも、きちんと整理されている。