『Wordのストレス解消読本』。うんざりあるある。

Wordのストレス解消読本 -Wordの「本当の」使い方教えます[2007/2003/2002対応]

Wordのストレス解消読本 -Wordの「本当の」使い方教えます[2007/2003/2002対応]

そもそも論文はテキストエディタで書く派で、それはいまだにそうなのだから、ワープロソフトなど嫌いで、Wordなど仕方なしに使う以上のことをしていなくて、自分で書くレジュメとかなら複雑な書式にする必要もないのでストレスはできるだけ回避することができるのだけれど、それでもWordは言うことを聞かないわけで、いいかげんうんざりする。テキストエディタで書くプレーンテキストのほうが、まだしも思ったことをそのままやってくれるわけで、ワープロソフトはほんとならそれ以上に自由に思ったことを実現してくれるはずなのに、Wordは、こちらが思いもよらない嫌がらせを執拗にしてくるし、こちらが途方に暮れるまでしつこく絶対に嫌がらせをやめない。いわんや、学内の文書で誰かが作った書式ファイルを使って書くなどという仕事があった日には、いいかげん発狂しそうになるわけで、それだけで仕事の全精力を奪われて日が暮れて夜が更けて朝になってしまうといっても過言ではないのである。あと卒論。学生さんたちが卒論を書くのに、中途半端にWordで書くことを教えられるので、わけのわからないことになっている。そして図表なんかがパッと消えたりするといってしめきり前の貴重な時間をそれだけに使っていたりするんである。不毛だ。といっても過言ではない今日この頃である。まだ卒論しめきりのストレスから抜け切れていない今日この頃であるといっても過言ではないのである。
で、この本。
しょうじき、解説書として読むなら、自分などよりもう少しちゃんと本気でWordに付き合う人(といってもふつうにビジネス文書を書いたりプレゼン資料を作成したりする人はみんなそうなのだろうな)むけで、基本以上に使いこなそうとして当惑する人のための本ではある。でも、解説書的なところをぱらぱらと読み飛ばしつつ、読み物としてぱらぱら読むと、なんとなくあー、Wordってこういうもんなんだな、そういうもんだからこういうことになるんだな、というノリが、著者の憤怒とともに、つたわってくる。
著者の人は、「Wordで食べている人と言われても反論できない」という、Wordの解説書なんかを40冊以上書いてきたというライターの人。で、いつも我慢をしていたのを、このたびは編集の人に「書きたいように書いてよい・・・」と耳元で悪魔のごとくささやかれて、がぜんぶっちゃけて書いたという。
もともと英文むけのWordを、日本語用にして、しかもタイプライター的な発想だったのを日本語むけに翻訳したために、基本的な考え方も、用語の翻訳も、かなりぐちゃぐちゃになっていて、さらにそこにWordお得意のおせっかい機能が勝手なことをしてくれるという。それでもWordを使わざるをえんのであれば、すくなくとも「何が起こっているのか」ぐらいはわかっておけばストレスも減るし対処もできるというわけである。