スガ秀実ほか『LEFT ALONE』

というのが案外おもしろかった。もともと丹生谷めあてで買ったのだけれど、ネット通販の陥穽、立ち読みが出来ないため、丹生谷の文章がわずか数頁のオマケだったとわからなくて買ってしまったのである。でもまぁ、おもしろかったからいいか。

スガ秀実という人は、私の中では、渡部直己の連れ、ぐらいなかんじで、数冊読んだぐらいだったのだけれど、なんだか気がつけば、「68年革命はいまだ持続してるし勝利し続けている」みたいなことを言ってまわっているらしい。そうだったのか。
それで、この本は、スガさんが当時の活動の渦中にいた人たちを訪ねて対談して「68年革命」について語り合いまくる、それを井土という監督がドキュメンタリー映画にして、それを本にした、みたいなものらしい。
松田さんという人の喋りは、興味深いけれど昔話に聞こえる。西部さんはTVで見る顔と口調を思い浮かべて、へぇ、といいながら聞く感じ。ここまではあまりピンと来ないけれど、世代が下って、柄谷行人津村喬というあたりの人の話はそれなりにしっくりと入ってくるのだから、たいしたものだ。ひょっとすると「68年」とやらはやはりいまだに持続したり勝利したりしているのだろうかしらん。そして、いちばん若い花咲さんという(多分私よりまだ若いんじゃないかな)あんちゃん?との対話がいちばんおもしろくて、当然、現在進行形の話で、そこでスガさんが迫力で押しまくっていれば、さすが「68年革命」大勝利、となるのだろうけれど、はてさて。