勉強は大人になって役立つ? 高学年ほど否定的

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20050512-00000001-ryu-oki

 勉強したことが大人になって役に立つかについて、県内の中学3年生の約3割が疑問視していることが、県教育委員会の「基礎学力に係る実態調査」で分かった。肯定的な見方が7割と多くを占めるものの、小中と学年が上がるにつれて積極的に肯定する割合が減っている。調査の分析では「夢や希望をはぐくむ指導や目標を持たせる指導の工夫」などが必要と指摘している。
 調査は、児童生徒の学ぶ意欲やコミュニケーション能力などについて把握し、学力向上につなげることが目的。毎年の達成度テストで教科ごとの基礎学力を調べているが、その背景にある学ぶ姿勢について把握するため、今回初めて実施した。
 対象となったのは県内小中学校の児童生徒4万7622人。全学年それぞれ1学級ずつを抽出した。小学校は全児童の35・9%に当たる3万6362人、中学校は全生徒の22・4%に当たる1万1260人が対象となった。
 「勉強したことが、普段の生活や社会に出てから役に立つと思うか」との問いに、中学3年生は「そう思う」(27%)、「どちらかというとそう思う」(44%)を合わせて約7割が肯定的。「どちらかというとそう思わない」(20%)、「そう思わない」(9%)を合わせた約3割が否定的な見方だった。
 一方、小学1、2年は「勉強したことが大人になってから役に立つと思うか」と設問し、最も肯定的な「思う」(84%)が圧倒的で、「だいたい思う」(11%)と合わせると95%が肯定的な考えだった。
 今の勉強が将来に役立つと考える児童生徒が、高学年になるに従い減っているという調査結果を受け、県教委の担当者は「将来のことと授業を関連付けて話をするなど、学習指導の中でキャリア(職業)教育を工夫することが必要」と指摘している。
琉球新報) - 5月12日9時56分更新