http://www.asahi.com/life/update/0205/002.html
採用基準「明確でない」61%、学生の不満を企業知らず
2006年02月05日06時40分就職活動で、大学生の多くが企業の採用基準が明確でないと感じているのに、企業側は求める人材像が伝わっていると考えている――。経済産業省の調査で、採用を巡る両者の認識に大きな隔たりがあることがわかった。有効求人倍率は13年ぶりに1倍台を回復したが、同省は「従来型の採用は限界に来ている」として、5月にまとめる新経済成長戦略の柱に、産学一体の人材育成策を盛り込む方針だ。
経産省の社会人基礎力研究会が新卒採用過程を昨年調査した結果、「採用基準が明確でない」との回答が、大学生は61%、企業は15%だった。企業の73%は「求める人材像が学生に伝わっている」と答えた。
社員の育成方針について、企業の86%が「情報提供している」と答えたが、入社5年目までの若手社員の55%が「提供されていない」と回答。入社後も、企業と若手社員の認識格差が埋まっていないこともわかった。
同研究会は「学校教育と採用活動、入社後の人材育成の各段階で連携が不十分だ」と指摘する。これを受け、同省は、インターンシップや入社前の社会体験期間導入など、大学と企業を結ぶ一体的な人材育成策を策定することにした。
調査は、約450社の企業や学生約500人、大学約200校などから回答を得た。