学童クラブ:過密化進む 児童70人超、道内54−−自治体財政難響き(北海道)

http://www.mainichi-msn.co.jp/shakai/edu/wadai/news/20060502ddj041040006000c.html

両親が共働きなどの事情がある児童を放課後に預かる「学童クラブ」の過密化が都市部で進んでいる。道によると、児童数が70人を超えるクラブは道内で54にのぼる。中には1施設で100人を超え、待機児童が出ている所もあるが、自治体財政が厳しい中で解決策はなかなか見えない。

 道内の学童クラブは昨年5月現在で738あり、95%が市町村立。需要は年々増えており、道は子育て支援策の重点項目の一つとして09年度までに795に増やす計画を立てている。

 北広島市が運営する「大曲東学童クラブ」は定員70人に対し、今年は107人の希望者があり、緊急度が低い6人が待機となった。約200平方メートルの平屋建てのこども館が手狭になったため、4月に約90平方メートルを増築。60人と40人の2グループに分けられた。

 指導員の山口ひさ恵さん(47)は「広くなって指導に大声を出すことが少なくなった。それでも第二の自宅として家庭的雰囲気を出すには人数が多いこともあって難しい」と話す。

 学童クラブの適正規模について法律や条令の定めはないが、30人程度を適正とする調査もある。道内では児童数が36人以上70人以下が304施設(約42%)、71人以上は54施設(約7%)と大規模なクラブが約半数を占める。

 道青少年育成協会が昨年夏に調査した373の学童クラブアンケートでは「待機児童の解消」は「クラブ活動の充実」に次いで課題の第2位(59件)に挙がった。施設整備が追いつかない実態が垣間見える。

 一方で過疎化などで子供が減り、10人未満のクラブも28ある。10人未満だと国などの補助はない。同協会の調べでは207市町村(05年8月現在)のうち44市町村に学童クラブはなかった。

 道学童保育連絡協議会の田澤利弘事務局長は「財政は厳しいが、施設の有効利用や人材の活用、運営方法の見直しなど知恵を絞り、解決していくしかない」と話す。【有田浩子】

毎日新聞 2006年5月2日 北海道夕刊