ファストフード、スナック菓子会社が食育に次々“参入”

http://www.yomiuri.co.jp/kyoiku/news/20060718ur01.htm

学校の「食育」の授業に食品会社が協力する事例が増えてきた。子供に与えることを親が敬遠しがちなファストフードやスナック菓子会社などの参入も目立つ。半信半疑で受け入れる学校も多いようだ。
 ■自社製品「食べ過ぎ注意」
 「おやつにポテトチップスをどれぐらい食べるかな?」――東京都大田区の区立多摩川小学校で今月4日、菓子メーカー「カルビー」が5年生を対象にした出前授業を行った。はかりにかけたポテトチップスの前で、女性スタッフは「おやつの適量は35グラム(小袋1袋分)」と食べ過ぎに注意するよう呼びかけ、量やカロリーを確認するときは袋の表示を見るよう話した。
 同社の出前授業は3年前に始まり、昨年度は全国290小学校で実施。今年度も6月現在で274校での授業が決まっている。
 多摩川小の教諭は「どんなものかと試しに依頼したが子供たちには興味深かったようだ。商業的になるのではと心配もしたがこの程度なら問題ない」と話す。同社には「自社の商品を食べすぎるなと教えるので驚いた」などの反響もある。
 カルビーの調査では、スナック菓子は子供に勧めたくない間食の上位に位置するという。ただ「塩分が多い」などの誤解もあるといい、広報室の中野衣恵さんは「誤ったイメージを持たれ続けるより、食べる量を守ってもらう方がプラスになる。正しい知識を学んでスナック菓子をおやつの選択肢にしてほしい」と授業の狙いを語る。
 ファストフードの「日本マクドナルド」も食育にかかわっている。昨年7月からホームページ上に「食育の時間」を開設。栄養素や食の安全などの基礎知識を学校で教える教材として提供し、約20万件の接続があったという。今年はぬいぐるみのキャラクターが食事バランスを説明する出前授業なども始めた。
 「マクドナルドが食育なんてと驚かれるが、子供が親しみを持つからこそ『食』を学ぶきっかけになりやすい」と同社CSR部長の岩崎優さんは強調する。
 ■学校側もよく研究を
 食品会社の取り組みが増えた背景には、食育に対する社会全体の意識の高まりがある。国も今春策定した食育推進基本計画に、「食品関連事業者等による食育推進」を盛り込んだ。
 十文字学園女子大非常勤講師の大村省吾さん(食育論)は、「社会貢献という観点で企業が食育を実施するのは結構なことだ」と話す。
 ただ、「食品会社が扱う商品は人工的に作られた『味』が中心で、本来の食材感が乏しい。栄養や摂取量の目安などは教えやすいが、自然の味覚などを養う食育となると矛盾が生じる会社もある。学校側も教えるノウハウをまだ持たず、安易に企業に頼りがちだ。教育の視点からどんな食育に取り組むかよく研究し、選択していくべきだろう」と指摘する。(鳥越恭)
(2006年7月18日 読売新聞)

落語で聞いたことのある気がする遊郭か何かの符丁で「干瓢」ってのがあって、記憶を頼りにいま検索したら「女郎のこと、夕顔をさらすので」というのがでてきたのだけれど、なるほどと思いつつ自分の記憶では、「細く長く切れないように剥き上げる」みたいないみあいで、ひいきの客の有り金すべて巻き上げてしまうみたいなことだったような気がして、まぁ両方の意味がかかっているってことなんだろうけれど、要するにこれは、いまどきのことばでいうところの、「持続可能、サステナブルな」やりかた、ということなのだろう。
先日も学生さんの卒論の発表の中で「サステナブルなディベロプメント」ちうのがでてきたけれど、干瓢だなあと思いながら聞いていた。マクドの食育なんてのも、干瓢式である。