『初春狸御殿』びみょうにうける。

「映画でジェンダー論」の本を横目にこれを見るかね。いや、面白かった。いや、面白いのはわかっているのだけれど(http://d.hatena.ne.jp/k-i-t/20051227#p2)。

初春狸御殿 [DVD]

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これ、プリンセスストーリーと言えば言えるし、いくぶんかはシンデレラだし、「王子と乞食」だし、実存主義に目覚めた女子に対する揶揄みたいな放蕩と帰還の物語でもあるし、それがぜんぶパロディになってひねられているわけだし、また、そもそも1959年当時のこの手の映画が、いったい誰に向けてどういうつもりでつくられていたのか、今の若い子にはたぶんわからないと思う。いやもちろん私も現役で見ていたわけではないわけなので(もちろん!!)、わからないのだけれど。でもたぶん、ふつうにデートで見に行くような映画だったんじゃないかな。
脇役というかなんというか、河童が出てきて、それが、ヌードダンサーのおねえさんたちがやっている。それがあまりにあっけらかんとしているので対応に困るのだけれど、まぁいちおうヌードダンサーが登場して舞い踊っていることに違いはないので(河童だけど)、いちおう女子にはあらかじめ「いいかね?」っつって訊ねてからみたのだけれど、意外にも、そのへんは妙に受けた。っていうか、腹に段がついているのが信じられないとか力説されて、いやいや、これはこんなもんだったのだよと、そこから説明。
市川雷蔵については、「きしょい」とのご感想で、勝新太郎のほうがいいとのことで、それでも若尾文子の可愛さはちゃんと伝わったので自信を深めた。