このまえ本屋で見かけた本。『いつの間にか仕事が片づく法則』。「8割仕上げて上司に投げる。」ということばがキャッチーだった。

先日、散歩して本屋で見かけた本。

いつの間にか仕事が片づく法則

いつの間にか仕事が片づく法則

より確実に!より速く!朝90分早く出社する。
15分単位で集中する。
いくつも〆切を設定する。
8割仕上げて上司に投げる。
手帳・メールを活用する。
あらゆる手段を使って、頭一つ抜け出す処理スピードを身につける。

買いはしなかったけれど、帯に書いてある内容紹介の文の中の「8割仕上げて上司に投げる。」という言葉がキャッチーだったので記憶に残った。たぶん、それ以上のことは書いてないと思うので買いはしなかったけれど。
いやしかし、じっさい、「8割仕上げて上司に投げる。」ってのはありだな、と。まぁ、あたりまえのことであるのかもしれないけれど、自分には、膝を打つ言葉だった。
ていうのは、「部下」の立場からしてもそうなのだけれど、「上司」の立場からしてもそういうとこあるだろうな、というのが、感想なわけで、
まぁ、大学の教員組織では上司とか部下とかいうのはあまりないけれど、会議なんかでも、会議にかかる前にガチガチに出来上がってしまっている形で意見が上がってきてぎゃくに融通が利かない、ということはおおいにありそうだ。ラフで活きのいいアイディアがそのままディスカッションされる仕組みってのは、なかなかできにくくて、それはシステムのせいってのもあるけれど、構成員の意識の持ち方としても、「10割仕上げてから上に上げる」っていうふうになっているからじゃないか、と思う。これを、「8割」ってしたら、ちょうどいい塩梅のバランスでディスカッションが出来るんじゃないかなあと思ったりする。
ちょっとしたアイディアみたいなものを吸い上げるために、ハードルを低く、より吸い上げやすくすることにもなるし、吸い上げられたものを自由にディスカッションすることもできるようになる、んじゃないかな、と。
まぁ、この本の内容そのものはそういうはなしではないかもしれないけれど。

あ、でも、何にも考えてないふわふわした議案が出現して往生することもあるので、まぁ、ようちゅういではある。
えてしてそういう議案が「これは10割仕上がってるんだからな」みたいな顔で登場してくるので困るのだけれど、それは組織のシステムの問題ですね。「8割で投げる」が成立するためには、「8割」のものを「8割」として受け渡ししてしかるべく扱うことのできる柔軟な態勢が、渡す側にも受ける側にも必要なわけである。それが可能なような組織風土ってのがないとうまくいかない。
それと同時に、そういうことを可能にするようなシステマティックなツールが共有されてればうまくいくだろう。「8割」を「8割」としてやりとりすることが可能なツール。