。カセットテープ棚からはっけんされた『ソニーサイドアップ』。吹きっぱなしセッション。

Sonny Side Up

Sonny Side Up

カセットテープの棚を物色して、一番奥から出てきたテープ。アルバムタイトルを見ても内容が思い当たらず、ライナーから転記したパーソネルを見て、ガレスピーが、ソニー・スティットソニー・ロリンズの2テナーを誘ってバトルをさせたセッションなのだと見当をつける。たぶん大学院生時代に入手したカセットである。
聴き始めてもしばらくはピンとこない。でもしばらく聴いてようやくなんとなくわかる。何がわかったかというと、なぜこのアルバムが印象に残ってないか、ということがわかった。
つまり、ブローイングセッション、すなわち「吹き放題&吹きっぱなし」セッションであって、なんか散漫だし繰り返し聴こうという気にあんましさせないなあ、というかんじなのだ。そして、そういう感想を、最初に聴いたときにも持ったのだということを、なんとなく思い出した。
スティットのほうは、アルトも吹く人なのにここではテナーを吹いてるわけで、ロリンズとテナー対決なわけであるけれど、聴いているほうとしては、まぁ同じ楽器なんで、まぁどっちかというと聴き飽きする。スティットのほうがどっちかというと乗りのいいフレージングで、ロリンズのほうはどっちかと言うと豪快にごろごろっとアドリブを転がす感じなのだけれど、まぁ同じ楽器で吹いているのでわたくしのごとくぼんやりと聴いているとどっちがどうということもなく延々とテナーサックスのソロが続いてるなあということになる。
で、まとめ役のガレスピーが、ひとりで道化ちゃうタイプなので、まとめ役にならなくて(そのへん、マイルスならもちろんそうはならないし、もっと暗くてまじめな感じのセッションになるのだろうけれど)、まぁ、選曲も含め、無責任に吹きっぱなしましたみたいなアルバムである。