ぼやぼやと熱っぽいあたまで布団にはまりつつ見た。
戦後の
柳橋の
芸者置屋が舞台で、まぁ時代に取り残されて傾いていくのだけれど、
山田五十鈴や
杉村春子なんか、主人公に近いほうの人たちは、善人だけどなんかやはり甘さがあって、没落していくしかないわなぁ、というかんじなのである。
山田五十鈴はじぶんの姉に借金をしていて
置屋を抵当に取られているのだけれど、その姉というのが因業な悪役のようにみえて、じつはこの姉もやはり詰めの甘さがあって、さいごのところで
置屋の財産をまきあげそこねる。で、さいごに笑うのは − っていうか、できるヤツは甘くないので笑ったりしないのだけれど − 冷徹なあの女である。こわーい。終わり方がこわーい。