本日の通勤電車のおとも。『合コンの社会学』。学生なら「自分じゃん?」って言ってしまい、ってかんじの?

合コンの社会学 (光文社新書)

合コンの社会学 (光文社新書)

非常勤先に行って帰るあいだに、すーっとなんの引っかかりもなく読めてしまう。
インタビュー調査をしましたといって、合コン経験者の30台男女の声が紹介されてるけれど、まぁ、偏ってるなあという感じ。合コンの儀礼だの、戦略だの矛盾だの、陥穽だのなんだの書いてあるけれど、そんなぐじゃぐじゃしたことを考えたり悩んだりしながら合コンしとるやつが全部ではないでしょう?というかんじ。
たぶん、学生諸君がコンパをやったりなんかするばあいは、そんなややこしいことを考えずにやっとるだろうなあと思う。それで痛い目にもあっとるのやろうなあ、とも思うが。
インタビューをしに行けば、「相互行為論者」のインタビュアーを喜ばすような、矛盾だの苦悩だのをべらべら喋ってくれるだろうけれど、だからといってそれを喜んで書いててもしょうがないでしょ?
自分もふくめて言うのだけれども、インタビューなんかやって論文なんか書いて、それを読んだら、登場人物の人は書いた人にそっくりになってたりするよねえ、よくもわるくも、と。そういう話を同業者としたりしますが。
そういうところに、学生さんたちはけっこう敏感で、学生さんたちに社会学の話をしていると、学生さんたちは「それって自分じゃん?」と言う。正しいですね。
この本は、なんかもう、そんな感じありありで、それを分かってなくて書いてるんじゃないかなあというふうに見えて、ちょっとねえ。