散歩に出かけて買った本。『世界一やさしい問題解決の授業』。こういうのはやさしくないというのが相場。

世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく

世界一やさしい問題解決の授業―自分で考え、行動する力が身につく

すぐよめた。まぁそこそこ。
帯には、「世界最高峰のコンサルティング会社で学んだ問題解決の考え方を中高生にもわかるように解説しました」と書いてあって、そういうのはだいたいずれてると相場が決まっている。
直面した問題を、ツリー構造に分解して、そこから仮説を立てて調査して検証し、対策をリストアップしてコスト/ベネフィットのマトリクスで整理して順位付けて実行する、みたいな流れは、それじたいを説明するのは簡単だし、事例の登場人物を「きのこちゃん」や「タローくん」にすれば子ども向きふうの体裁にもなる。
でも、これを中高生に見せても「はぁ?」となるような気がする。
中高生といわず、たとえばうちの学生でもピンとこないんじゃないか(もともと、学生にどうかなと思って手に取ったのだが)。
ひとつの問題は、この本が、個人向けに書かれていることだと思う。
コンサルティング会社が経営戦略の問題解決をおこなうなんてときは、組織の意思決定にかかわっている。
組織の意思決定というのは、個人の意思決定というのとずいぶんちがう。コンサル的なやりかたは、組織の意思決定にはフィットすると思う。でも、それを中高生向けに教育する個人の思考技術として落とし込むと、へんなかんじになると思う。
でも、組織の問題解決を念頭において読むと、わかりやすくてよい教科書だと思う。