電車で読む『子どもの貧困』。これは学生さんにお奨めの本。

子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)

子どもの貧困―日本の不公平を考える (岩波新書)

データ満載で、家族論であり格差社会論であり社会福祉と教育社会学をカバーして政策論もカバーして、しかも明快でキャッチー。学生さんに薦めよう。
95-6頁にでてくるキャッチーな例。
税制や社会保障制度による所得の再分配を計算に入れないばあいと入れた場合、「再分配前所得/再分配後所得」を計算して、両者でそれぞれ貧困率を計算する、と。で、先進国でそれを比較する、と。

再分配前所得における貧困率と再分配後の貧困率の差が、政府による「貧困削減」の効果を表す。
これをみると、18ヶ国中、 日 本 は 唯 一 、再分配後所得の貧困率のほうが、再分配前所得の貧困率より高いことがわかる。つまり、社会保障制度や税制度によって、日本の子どもの貧困率は悪化しているのだ!

キャッチー。