『犬身』買った。学校帰りに途中下車して。たったそれだけのことで。

犬身 上 (朝日文庫)

犬身 上 (朝日文庫)

日曜日の新聞の読書面に、『犬身』が文庫化されたのの紹介があった。単行本が出たときにちょっと心が動いたけれど、犬っぽい装丁の辞書みたいな本を買うのを一瞬、躊躇しているうちに買いそびれた。それが文庫になったというので欲しくなった。
何件かの本屋をまわったけれど、なかった。いちばん近かったのが、最初に行った書店で、下巻だけが売れていたというの。上巻だけ買ったやつがおったということだ。やれやれ。
ほかの店は、松浦理英子の影も形も、というかんじ。
で、月曜も火曜も水曜も書店に行ったけれど、なかった。それは暗澹たるきもちになることだ。
で、今日も一軒のぞいたけれど、まぁ、ちいさい店なのでなかったわけである。でも、帰りの電車を途中下車したら大きい書店があるじゃないの、という気になり、もう夜だったけれど、途中下車して探して書店に入ってみた。きれいでおおきな書店で、『犬身』は上下そろってすぐにみつかった。
毎日乗換えをしている駅で途中下車するだけで、本屋に寄れるんである。心が洗われる。学校帰りに、その気になればきれいな本屋に寄ることができるというのは、心の支えになる。