『犬身』読んだ。犬の話というわけではなく。

犬身 上 (朝日文庫)

犬身 上 (朝日文庫)

三連休といいつつ、土曜の午前は学校にいき、月曜の午後は授業。ともあれ、連休気分を気分としてあじわうということはあるだろう、日曜日、窓の外では朝からお祭りのみこしの声(というていで、軽トラに乗せたみこしが、テープでお囃子を流しながら走っている)。朝、自転車店で修理してた自転車を拾って、電気屋に行ってPCを見たり、スーパーに行って買い物したりして帰り、囲碁を見てから、『犬身』を読みはじめた。
で、これ、犬になる話というので、犬の話と思っていたら、そうでもなかった。『吾輩は猫である』が猫の話でないように。で、見かけ上は、家族の話。でも、家族であって家族でないっていうか、松浦理英子は昔から、「関係性」について書いてきたんで、このたびも「関係性」のはなし。で、犬は、しいていえば補助線ってかんじ。
文庫版解説のかわりに、文芸誌に載った蓮實重彦の『犬身』論が載っている。「関係性」についてはちらりと目をやりつつ、いつもながらに、導入部と、あとは文章について、松浦理英子はやはり小説家だ、といったようなことを。

そういえば、「兄と妹が協力して謎を解明する物語」の構造との関連やいかに。