- 作者: 松浦理英子
- 出版社/メーカー: 朝日新聞出版
- 発売日: 2010/09/07
- メディア: 文庫
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で、これ、犬になる話というので、犬の話と思っていたら、そうでもなかった。『吾輩は猫である』が猫の話でないように。で、見かけ上は、家族の話。でも、家族であって家族でないっていうか、松浦理英子は昔から、「関係性」について書いてきたんで、このたびも「関係性」のはなし。で、犬は、しいていえば補助線ってかんじ。
文庫版解説のかわりに、文芸誌に載った蓮實重彦の『犬身』論が載っている。「関係性」についてはちらりと目をやりつつ、いつもながらに、導入部と、あとは文章について、松浦理英子はやはり小説家だ、といったようなことを。
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そういえば、「兄と妹が協力して謎を解明する物語」の構造との関連やいかに。