『東京ガールズコレクションの経済学』。思いのほかよかった。べつに経済学ではないが。

東京ガールズコレクションの経済学 (中公新書ラクレ)

東京ガールズコレクションの経済学 (中公新書ラクレ)

マーケティングの人が、「東京ガールズコレクション」をはじめとするガールズイベント、あるいはその周辺のガールズ市場についてああだこうだ言う本。「市場の主役はギャルからガールズへ」という章があったりして、女子のファッションを二次元の「ポジショニングマップ」の上に描き出してみたりして、そのへんはまぁおもしろい。このへんのことを卒論にする学生というのはときどきいて、以前はファッション雑誌をそういうふうに分類して分析してというのにトライしてみたりしたけれど、ちょっと参考になりそう。とともに、やはりそういうマッピングをするのであれば、階層と学歴を見たくもなるというもので、まぁしかしそういう変数は入れてない。世代だけ。それが、2006年時点の女子と2011年時点の女子に世代差があると言ってたりして、じゃっかんあぶなっかしいと感じなくはない。でもまあ、「東京ガールズコレクション」などというものに反応する層について書いているわけで、つまりある程度かぎられた層が念頭にあるのだとすれば、まぁ5年の違いはいみをもつかもしれん。そしてその限られた層にはもちろん、かまやつ女とか干物女とか入ってきませんので、階層と学歴、という切り口もちゅうとはんぱになってくるやもしれん。とは思った。