通勤電車で読む『縦糸横糸』。これはやはり時事問題をなんでもかんでも「こころ」や「たましい」のもんだいとして語るのはやはりどうも。

縦糸横糸 (新潮文庫)

縦糸横糸 (新潮文庫)

だいたいがはずれるということのない河合隼雄の本だけれども、これはめずらしくよろしくない本。
新聞の連載コラムで、毎回時事問題をとりあげて語ってるのだけれども、これはやはりどうもよろしくない。いくらなんでも、なんでもかんでも「こころ」や「たましい」のもんだいとして語るのはさすがに無茶だし有害である。積極的に不快だったりどうかんがえてもひどいことを言っていたりするところもけっこうある。そりゃそうで、時事問題を語ることは本来、カウンセラーや心理学者の仕事ではないので、それをさせようという企画が間違っているのである。