『オルタナティブロックの社会学』。ニルヴァーナ以後、「97世代」以後のロックを考える。

オルタナティブロックの社会学

オルタナティブロックの社会学

ごくごくざっくりとした世代論として、1946-64年に生まれた層/1965-1980年に生まれた層、と切り分けて、「ベビーブーマー」世代と「ジェネレーションX」世代とすると。で、前者は60年代〜80年代はじめまでに青春期を経験した、すなわち60年代70年代のロックを経験した世代、後者は80年代半ば〜90年代に青春期を経験してそのころは(ジョン・レノン以来二度目にセックス・ピストルズによって、また三度目にカート・コバーンの自殺によって)「ロックは死んだ」とかなんとか言われたころで、その世代以降にとっての「ロック」はそれ以前の世代の「ロック」とは別物であると。別の言い方をすれば、いまの若い人たちはロックのルーツを辿らないよ、せいぜいレディオヘッドぐらいまでだよ、他方で昔からのロック雑誌が「ロックの歴史的名盤100」とか特集すると90年代以降の四半世紀からはせいぜいニルヴァーナぐらいしか入ってこないよ、と。だからつまり、いわゆる「ロック」はニルヴァーナまでで切れてて、そこから以降は別物の「ロック」すなわち「オルタナティブロック」なのだよ、と。
非常にすぱっとした見取り図で、しかもちょっとほんとっぽいなと思わせる。それで、その見取り図に沿って、「オルタナティブロック」で何が変わったか、というお話。で、ニルヴァーナとか、メロコアとか、スリップノットとか、シューゲイザーとか、日本のミスチルとか、「97世代」たるナンバーガールとかくるりとか、ハイスタとかアジカンとかゴイステとか、なんかなんとなく知ってそうなジャンルやバンドの話が並んでて、フジロックの話なんかも面白くて、ようするに面白かった。